ブロック塀の表面を石積み調に
コンクリートブロック造の塀を、モルタルを使って石積み調にしました。
1997年、家を建てたときに作った高さ60cmの低い塀は、コンクリートブロック製です。
本当は化粧ブロックにしたかったのだけど、価格が約10倍。
コンクリートブロック100個の値段が1万円とすると、化粧ブロックだと10万円です。
ここはあきらめて普通のコンクリートブロックで作りました。
ただ、この時点で秘策を考えていたのでした。
秘策
石積み調の枠を合板で作り、それをブロック塀の表面にあて、モルタルを塗ってから枠をはずします。
最後に塗装をして表面を保護します。
これでブロック塀の表面が石積み調に変身します。
しかし、これがやってみると結構難しいのでした。
渾身の作品です。
枠の作成
石積み調といっても様々なデザインがあります。
色々な家の写真を撮り、検討した結果、次のようなデザインとしました。
枠の大きさは縦580mm、横1,690mmです。
これは型枠の図ですが、そのまま石積みのデザインとなります。
厚さ5mm厚の合板を買ってきて、石に当たるところを切り抜き目地の部分だけ残します。
この5mmが石と石の間の目地の深さとなります。
ジグソーを使いますが、四角形の頂点に当たるところは、ジグソーでは急カーブは無理なので、あらかじめ直径10mmの穴を開けておきます。
ジグソーで切断するところは、完全に直線にする必要はなく、むしろ少し雑にした方が「石」の雰囲気が出ます。
ただし5mm厚の合板は割れやすいので、ジグソーの刃は目の細かいものを使い、慎重に切り進めます。
割れたらブリキ板とエポキシ接着剤で補修しました。
上部はブロック塀の上から引っ掛けるため、板をビス留めしておきます。
できあがった枠は何回も使うので、モルタルの水分がしみ込まないよう、たっぷりと塗料を塗っておきます。
塗料は水を弾けば何でもいいのですが、私は当時持っていたラッカーを何度も塗り重ねました。
モルタル塗り
モルタルは重量にして、セメント1に対して砂2.5の割合で練りました。
砂は2~3の範囲ならOK。
少しずつ水を加えていき、団子ができる位の固さになったらもう少し水を加え耳たぶ位の固さに練り上げます。
この位の固さになると少しの水でたちまち柔らかくなりすぎるので、慎重に水を加えていきます。
まず施工する部分のブロック塀を水で濡らします。
モルタルを塗るところは水で濡らしておくのが基本。
枠をブロック塀に引っ掛け、左手で枠を塀に密着させながら、右手でコテを使ってモルタルを塗っていきます。
モルタルは丁寧に塗る必要は全くありません。
むしろ表面がでこぼこした方が自然石の様になるので、適当に塗ります。
枠一杯全部塗れたところで、すぐに枠を外します。
すると・・・
バサバサ
モルタルがほとんど落下しました。
失敗
セメント混和材
モルタルをブロック塀に密着させる方法は、やはりプロに聞くのが一番。
いつもお世話になっているD金物店に行って教わりました。
そして使用するのがこれ!
「NSハイフレックス HF-1000」
これを水で3~5倍に薄めて、モルタルを塗る直前に刷毛でささっと塗っておきます。
そして枠を当ててモルタルを塗り枠を外すと、
あら不思議、今度はモルタルが全く落ちません。
大成功
後でよくよく説明書を見ると、混和材は塗って乾いてからモルタルをぬるそうですが、乾かないうちに塗っても大丈夫でした。
ちなみにこの混和材は、モルタル自体に5%以上混和させると、モルタル自体が強度を増したり、ひび割れ防止になったりするそうです。
今回はもったいないのでモルタルには混入しませんでした。
この作業を1日1回、多いときは2回繰り返しました。
塀の上部と端の部分は、別に枠を作って仕上げました。
塗装
コンクリートブロックやモルタルは、年月が経つと徐々に風化し、苔が生えたりヒビが入ったりと徐々に見苦しくなるものです。
そこで塗装をしておきます。
塗料については、いつもお世話になっているM塗料店に聞きました。
教えてもらって購入したのが「水性弾性塗料」。
水性だから臭いも少なく、弾性があるので多少の変形にも追従します。
しかも色は家の外壁と同じにしてもらいました。
新築したときに取っておいた換気扇部分の外壁を塗料屋さんに持って行き、同じ色の塗料を作ってもらいました。
刷毛とローラーで塗りました。
20年後の姿がこれです。
少し汚れているけど全く風化していません。
みなさんもよろしければ好みの模様を試してみてください。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません