アクリル板を用いてペア(複層)ガラスを自作

2018年6月16日

アクリル板を用いてペアガラスを自作しました。

 

失敗の繰り返しでしたが、失敗を生かせるよう、失敗例をあえて掲載していますので、参考にしてください。

防音・断熱にはペア(複層)ガラス

今は新築の住宅は初めからペアガラスなんでしょうけど、我が家はペアガラスが流行し始める直前の時期に建てられたため、単板ガラスです。厚みを測ってみたら3mmでした。
冬の寒さはこんなものかと思っていましたが、これでは外の熱は容赦なく伝わってきますね。
ひょっとしたらペアガラスにしたら、もっと暖かくなるかも知れない・・・ と、ずっと思っていました。

しかし、価格を調べてみると、リビングの掃き出し窓の大きさになると、ガラスを交換するだけで1枚4~5万かかるではありませんか。
我が家の透明ガラスをすべてペアガラスに交換すると、ざっと100万円位かかることになります。

節約をモットーとする私としては、ここは何とか自分で工夫するしか選択肢はありません。

ネットで調べると、同じ厚さのガラスを用いたペアガラスは、断熱効果はあるものの防音効果はあまりないとのこと。
しかも自分でやるならガラスは無理。透明性が高いアクリルしかないですね。

しかーし、ここからが苦難の道でした。何度も何度も失敗し、一つずつ問題をクリアしてきました。

アクリル板を注文

ネットショップで色々販売されていますが、送料を含めて一番安かった「アクリルアイ」さんから購入することにしました。
厚さは1、1.5、2、3mm~とあるのですが、1mmと1.5mmの価格はほとんど変わらないので、厚い方がいいだろうと1.5mmにしました。910×1,820のサイズで2,280円です。

注文内容は次の通りです。

サッシ内枠のガラスの大きさに合わせてカットしてくれました。
端材も送ってもらいました。
送料を抑えるため、一度に送ってもらいました。

これで後へは引くことができなくなりました。
やるしかない!

アクリル板を取り付ける位置・・・窓の外か内か

アクリル板を取り付けるのは室外か室内か。当然雨がかかったり直射日光が当たったりしない室内側の方がいいのですが、引き違い窓の場合、左側のサッシにクレセントの金具があります。

これが邪魔になってアクリル板を貼るのがめんどうなので、原則内側としますが、1階の庭や2階のバルコニーなど外から楽に貼れる部分は、外側に貼ることにしました。

ガラスにスペーサーを挟んでアクリルを接着(ごく1部成功、他はすべて失敗)

ガラスとアクリル板の間に空気層を設ける必要があるので、スペーサーとして使用できるものを探しました。
ホームセンターで見つけたのがこれ

これはバックアップ材というもので、壁材と壁材の隙間をシーリング材で埋めるときに、奥の部材にシーリング材がくっつかないようにするものです。いわゆるシーリング材の3面接着を避け、2面接着にするためのものです。詳しい説明は他のサイトでいっぱいありますので、そちらを参考にしてください。
サイズは色々ありますが、今回はスペーサーとしてふさわしい厚さ5mm×幅10mm×長さ1mのサイズを購入しました。1本50円位で販売されています。

試しに、バックアップ材を30cm位に切り、ガラスに貼ってみました。
1日経って力を加えてみると、びくともしません。これはいける!

イメージとしては次の断面図を参考にしてください。

サッシ周りの拡大図は次の通りです。

バックアップ材には片面にアクリル系粘着材がついているので、もう片面は強力両面テープを貼って両面接着可能なスペーサーとします。

ローラーを使って両面テープをしっかり貼り合わせます。

ガラスの外周にバックアップ材を貼り、

慎重にアクリル板を貼り合わせていきます。

一旦くっついたら剥がすのが困難です。

ローラーでしっかり押さえて

保護シートを剥がすと

OKこれで完了・・・

1階の透明ガラス部分8枚を、1日で張り終えました。

翌日、仕事から帰ってみたら、アクリル板が床に倒れています。ガーン!

この写真は、アクリル板を置いているのではなく、いつの間にかガラスから剥がれて倒れている状態です。

こちらの小さい窓(縦114cm×横30cm)は大丈夫。

アクリル板の特性

とりあえずアクリルの性質を分析しなければと思い、ネットで調べました。

比重:1.19
線膨張率:0.07mm/℃・m
吸水率:0.3%

気になった項目は以上ですが、線膨張率が0.07mm/℃・mということは、1℃上がったら1mあたり0.07mm伸びるということ。ということは10℃上がったら0.7mm、冬と夏の最高最低温度差を40℃とすると2.8mmということになります。高さ2mだと5.6mmも伸びることになります。
これだけ伸縮すればバックアップ材ではもちませんね。

もう一つ、勘ですがアクリル系粘着材は瞬間的な負荷には耐えられますが、ジワーと絶えず負荷がかかると剥がれてしまうような気がします。

大きい窓のアクリル板は重さが3kgもあります。
したがって小さい窓は大丈夫、大きい窓は全くだめ、という結論でした。

下部を強力接着、他は倒れないよう支えるだけ(失敗)

加重に耐えるには下部でしっかり支えることであると思い、下部の両面テープの面積を広げることにしました。
次のようなアクリル板が入るような溝を掘った幅45mmの木材の板を、ガラス面の下部に接着します。接着面が4.5倍になるので、これなら持つだろうと考えたのです。

ガラスとアクリル板との間隔は6mmとなります。

アクリル板が入る溝は、丸のこを使い次のような自作の治具を使って作りました。

丸のこのガイドが左右スッポリ入るボックスを作り、ボックスの下に目的の木材を木ねじで固定して、正確に溝を作るという構造です。

接着には百均の「強力両面スポンジテープ」を使いました。
これは接着力が強力で、厚さが約1mmあります。そして安いです。

窓の左右と上部は、アクリル板の膨張を許容できるよう、コの字型のものでアクリル板を保持し、手前に倒れないよう支える必要があります。
そこで見つけたのが、「後付け天井見切り(C-10)」というものです。元々壁と天井の境目を目立たないよう貼り付けるものですが、コの字の内側が1.5mmとアクリル板の厚みとサイズがピッタリなのでした。塩ビ製です。

色が白だったので、黒に塗装して使用することにしました。

これを用いて、窓の左右と上部は次のような構造にすることにしました。

これにより10mm程度の膨張収縮には耐えられるはずなのですが、そのためには、アクリル板を一回り小さくしなければなりません。

プラカッターでシコシコ切っていたのでは時間がかかりそうなので、丸のこを使ってみました。

まっすぐな木をガムテープでアクリル板に固定し、それをガイドにして切っていきます。

これは大成功。うまく切れます。
しかし、切り始めと切り終わりは丸のこの刃を回転させた状態で行わなければなりません。切断している途中で回転を止めると、アクリル板がバキッと割れます。
要するに鋸刃の勢い(熱)で切っているのですね。

こうして部材を一つ一つ作り直し、苦労して張り直したのですが・・・

3kgの重さには耐えられませんでした。

数日経つと、下部の木材が剥がれて下に落ちるのでした。
ただ上部と左右の部分は大丈夫です。

加重をサッシで支える。(ほぼ成功)

両面テープの接着力で支えられないなら、サッシの下端で物理的に支えるしかないですね。下部の木材の断面を次のようにしました。木材の下部がサッシに乗っかかるようにしています。

また、左右と上部のスペーサーは、厚さ3mmの木で作りました。木は熱による膨張収縮がないのと、バックアップ材のスポンジより接着力が強そうだと思ったからです。

「天井見切り」は膨張収縮を吸収するため、50cm位の長さに切って「天井見切り」と「天井見切り」との間に2mm程の隙間を空けました。
鉄道のレールが、熱による膨張を吸収するために隙間を空けているのと同じ理屈です。

これで下にずれようとしても、下部サッシの上面で加重を支えることができるはず。

結果は数日経ってもほぼ大丈夫でした。

ただ数ヶ月経った頃、一部の下部木材がまた剥がれてきました。次のような所です。

・ 外部から貼り付けているところで、直射日光が強烈に当たる所。
・ 外部から貼り付けているところで、水やりをする水がよくかかる所。

直射日光が当たる所と水がかかるところは、木材が膨張・縮小を繰り返すため、木材自体が曲がろうとする力が働きます。
アクリル系粘着材がジワーと働く力に耐えられなくなり、長時間経つと剥がれてくるのです。

アクリル板の湿気による湾曲

しばらくすると、アクリル板が外側に膨らんだり、逆に窓ガラスの方へへこんだりすることに気付きました。
どうしてだろうと思っていたのですが、ある日気がつきました。以前調べた「アクリルの特性」の吸水率0.3%。
そう、わずかとはいえアクリルは水分を吸収するのでした。
ということは湿度が高いときは水を吸収して膨張し、湿度が低いときは水を発散して収縮するということです。

だから雨の日は外側へ膨らみ、乾燥した日は窓ガラスの方へへこんでいたのです。木材と同じです。

ここで思ったのは、ガラスとアクリル板の間にわざわざ6mmのスペースを設けなくても、どうせスペースが変化するのなら、スペースを狭くしてもいいのではないのかということです。それよりもアクリル板の荷重を確実に支える方がいいと思ったのです。

支える部分の木材の厚みを狭くして確実に荷重を支える(大成功)

次のように下部の木材を薄くして、確実に全荷重をサッシで支えるようにしました。

上部と左右の木材のスペーサーの厚みは1.5mmとなります。計算上は、窓ガラスとアクリル板の間の距離は4.5mmです。

木材を薄くすると、木材自身が湾曲しようとする力が弱くなるメリットもあります。

また、これを機会に窓の外側から貼って剥がれた所は、内側から貼り直しました。

こうして貼ったアクリル板は、剥がれることがなくなりました。

以上ですべての課題はクリアです。

ガラス+アクリル板ペアガラスの使用感

まず感じたのが、外部からの音の浸入がかなり少なくなったことです。

我が家は高台にあるので、道路を走る車の走行音が結構気になっていたのですが、ほとんど気にならない程度になりました。

高い音が遮断されたような気がします。ガラスとアクリル板では、透過する音の周波数が違うのでしょう。

次に断熱性が良くなったことです。暑い日でも朝から窓を閉め切ったままにしておくと、外の気温が上がっても室内は涼しいままです。

冬場の薪ストーブの薪の量も減ったような気がします。

費用

アクリル板が約45,000円と一番高く、後は「天井見切り」や百均の両面テープ等なので、全部で50,000円くらいでしょうか。

いつまでもつかわかりませんが、本格的にペアガラスに替えると100万円かかる所なので、これで満足することにしました。

ほとんど執念の塊のようなDIYでしたが、何よりも失敗したら原因を考えて、1つ1つ解決していくのもDIYの楽しみですね。

工事

Posted by kazu-DIY