本襖(ふすま)をDIYで貼替えてみた
我が家も新築から28年が経ち、あちこちが傷んできました。
時々補修するのですが、前々から気になっていたのが「襖」。
子供が小さいときに破ったのか破れが数か所あり、表面も日に焼けて風化しているみたいです。
サイズは横88cm、縦197cm。
どうせ紙を貼るだけだから簡単にできるだろうとなめてかかったら、これが結構奥の深いものでした。
ホームセンターでもらってきたアサヒペンのパンフレットによると、ふすま紙は次の種類があります。
・のりなし(自分でのりを塗って貼る)
・シールタイプ(裏紙を剥がし貼る)
・アイロン貼り(裏面の接着剤がアイロンの熱で溶かされくっつく)
・のり付き(裏面の乾いたのりが水をつけることにより復活して切手のようにくっつく)
ふすま紙には「和紙(鳥の子というらしい)」と「糸入り」があり、一般的に強度のある糸入りが多く使われているらしい。
改めて我が家の襖の表面を確認すると、糸入りでした。
一番貼替えが簡単そうなのがアイロン貼りです。
パンフレットによると、アイロン貼りは古いふすま紙が「和紙」「糸入り」「ベニヤ板」の場合剥がさずにそのまま貼れるということなのでこれに決定。
ただしアサヒペンの商品は長さが180cmと長さが足りないので、あちこち探したあげくホームセンター・コーナンで菊池襖紙というメーカーの長さ203cmのアイロンばりのものを購入しました。
しかし説明書を見てびっくり。
アイロン張りの場合、本襖は不可と書いてあります。
ここで説明。襖は構造上次の種類があります。
・本ふすま(格子状の木材を芯材としたもの)
・板ふすま(戸襖ともいい、表面がベニヤ板のもの)
・ダンボールふすま(芯材が段ボール)
・発泡スチロールふすま(芯材が発泡スチロール)
我が家は本襖です。
アサヒペンと菊池襖紙では書いていることが違います。
接着剤の違いかもしれませんが、実験するわけにはいきません。
アイロン貼りは返品し、のり付き(菊池襖紙では再湿(切手タイプ)という)を購入しました。
さらに商品の説明書を見ると、旧襖紙が糸入りの場合付きにくいので剥がせと書いてあります。
しかも枠を外さずに貼る場合は、周辺部分5cm位の範囲にのりを付けろとも書いてあります。
だんだん話がややこしくなってきたのですが、せっかくだから枠も外してすべて書かれてあるとおりにすることにしました。
失敗するのもイヤだし。
作業開始。
枠を外す前に、もとに戻しやすいように位置を記入しておきます。
枠を外します。
外し方は襖によって違うので臨機応変に。
旧襖紙を引手の部分から剥がします。
どんどん剥がします。
気持ちいい。
再湿襖紙を縦横2cm位大きく裁断します。
襖紙の端にシレッと「天←」と印刷されており、上下の指定があるようなので一応守りました。
裏をスポンジで十分濡らします。
襖紙を伸ばすため数分待ちます。(見た目はわからないくらい)
その上に襖を伏せて、張り付いた襖紙とともに起こします。
できるだけ伸ばして縁を折り込みます。
今回は織り込むので周辺部分に追加ののりは付けませんでした。
あとは枠を戻して取っ手をつければできあがりです。
少々しわがあっても乾燥すると縮んでピンと貼りシワがなくなります。
想像以上に縮むので折り返してよかったです。
しかし以前破れていた部分が下に潜んでいるのですが、襖紙を貼ったあともその痕跡が少し表面に現れます。
これは襖紙全面にのりが付いているので下の状態がそのまま表に出てくるためです。
これを防ぐためには、襖紙を貼る前にふんわりと別の紙を被せておくのです。
このために貼る紙を「茶チリ」といわれる和紙です。
最初は茶チリとは何のことかと思いましたが、やってみてわかりました。
今回は茶チリを貼らなかったので、表面に以前の傷跡が出てしまいました。
説明書には破れが大きい場合は、まず茶チリを貼るようにサラッと書かれていますが、こういう意味があったのです。
下に傷がある場合は、きれいに仕上げるために面倒でも茶チリを貼ったほうがいいです。
ちなみに茶チリは高価ではない和紙のことで、語源は調べてもわかりませんでした。
今回裏側も補修しましたが話がややこしくなるので割愛しました。
後日
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