自力で2度ショックアブソーバーを交換
12年の間にショックアブソーバーを2度交換しました。
さて、その効果は?
はじめに
我が愛車は日産C25セレナ。
2005年に新車で購入したとき、乗り心地がいいのと荷物がたくさん積めてとても使い勝手がいいので、長く乗ろうと決意。
まもなく20万kmに達します。
エンジンオイルやバッテリーなどの消耗品は、当然きっちりメンテナンスするとして、長く乗るためには、ショックアブソーバーを交換する必要があると思っていました。
そこで考えたのが、初めから将来に備えて交換用のショックアブソーバーを購入しておくことでした。
車は購入後すぐに車高を下げるため、純正のショックアブソーバーを交換する人が必ずいます。
その中の何人かは、交換した後ヤフオクに出品する人がいます。
それを狙います。
私は車高を低くしたりショックを固くすることには全く興味がなく、ひたすら純正の乗りごごちが維持できればいいのです。
そこでヤフオクを日頃からチェックしておき、目的のショックアブソーバーが出品されたら、価格と状態を調べます。
中にはとても走行距離が長いにもかかわらず高価な値段で出品している人もいるので、焦らず慎重に探します。
こうして2セット購入しました。
1セットは走行の短い状態のいい中古で、スプリングはなくショックアブソーバーのみです。
もう1セットは全くの新品で、スプリング付のもの。
どちらも約1万円。
前後4本の価格です。
新品をまともに購入すると、1セット10万円以上かかります。
これを交換の時期まで、家の中で保管しておきます。
というのが、モデルチェンジしてしまうと、状態のいいものが出品されなくなるからです。
今さら10年前の車のショックアブソーバーを交換する人はいないでしょうが、手順は参考になるかも知れないので、書いておきます。
1回目の交換
1回目は新車から6年12万km走行した時点で交換しました。
特に不都合もなかったのですが、悪路で揺れが大きくなったと感じたので交換しました。
購入しておいた2セットのうち、スプリングなしの少し走行した中古の1セットです。
前もってディーラーに行き、ショックアブソーバー付随のゴムブッシュを注文しておきます。
このとき、図面を印刷してもらい、締め付けトルクを聞いておきます。
ゴムブッシュはリアショック下部に1個、上部に2個あります。
フロントはショックアブソーバーに付いているので、注文の必要はなし。
インターネットでも図面は手に入ります。(次の図)
この図面を見て、イメージトレーニングをしておきます。
また、16mmと18mmという普段お目にかからないナットやボルトが使われているので、事前に工具を用意しておきます。
一度分解したら、工具を買いに行けませんから・・
フロントショックアブソーバーの交換
ボンネットを開けたら、奥にプラスチックのカバーがあります。
これを外さないと、ストラットを取り付けているナットが外れません。
ワイパーを外し、カバーを固定しているピンをマイナスドライバーで外します。
するとカバーが外れ、ストラットの上部が顔を出します。
クーラントのリザーブタンクの固定ネジを外し、手前にどけておきます。
ジャッキアップ後、ウマをかけておきます。
これが取り外す前のサスペンションの様子。
左側です。
車速センサーやABSの配線を外します。
ブレーキのホースを外します。
取り外すボルトに「ラスペネ」をたっぷり噴射しておきます。
これ強力です。
ショックアブソーバーの下からジャッキで支えておきます。
そうしないとボルトに荷重がかかってボルトがスムースに抜けないのと、ショックアブソーバーを外した瞬間にロアアームが下に垂れ下がってしまうからです。
スタビライザーに連結しているロッドの18mmのナットを外します。
外すとロッドはダラーンと倒れます。
ショックアブソーバー下部の21mmの固定ボルトを外します。
これが半端ない固さ。
最後にボンネット内から、ストラット上部の3本の13mmのボルトを外すと、ショックアブソーバーが外れます。
これがショックアブソーバー上部の様子。
今回はスプリングを入れ替えるので、コイルスプリングコンプレッサーでスプリングを縮め、
六角レンチでストラット上部を外し、スプリングを新しいショックアブソーバーに組み込みます。
このネジも半端ない固さです。
六角レンチが1本ねじ曲がってしまいました。
組み上げるのは反対の手順です。
ショックアブソーバーの下のボルトを仮止めし、下からジャッキで持ち上げながら上部の位置を合わせます。
そして上から3本のボルトで固定します。
位置が確定したら、上下のボルトを締めます。
トルクレンチで規定通りに
特に下部の21mmのボルトはしっかり締めます。
(これでまた次回外すのに苦労するのですが・・・)
スタビライザーのロッドの位置合わせに手間取りました。
ショックアブソーバーの下からジャッキで上下の位置を合わせるのが微妙に難しかったからです。
オイルパイプ等を元に戻したら交換完了。
リアショックアブソーバーの交換
3列目のシートを跳ね上げると、タイヤハウスが見えます。
このカバーを外すと
ショックアブソーバー上部を取り付けているナットが現れます。
このナットが16mmというサイズ。
共まわりしないよう、上部をモンキースパナで固定して緩めます。
ナットを完全に抜かずに、緩めるだけにしておきます。
ジャッキアップをして、ウマをかけておきます。
万が一車体が落下しても腕を挟まれないよう、念のためにコンクリートの基礎を置いておきました。
下部の18mmのナットを外します。
これがまた固い。
スパナをかけて、それをジャッキで持ち上げて緩めました。
最後にショックアブソーバーの下部をジャッキで支えながら、上部のナットを外すとショックアブソーバーが外れます。
ショックアブソーバー上部のブッシュがこれ。
左が外したブッシュで右が新品。
ジャッキを下げるとトーションビームがダラーンと下がるので、スプリングを取り外します。
スプリングの上部と下部に付いているゴムブッシュ。
こちらが上部。
次が下部。
下が取り外した古いブッシュで、上が新品のブッシュです。
全然弾力が違います。
新しいブッシュを挿入し、コイルスプリングをあてがい、下からジャッキで押し上げて、上部のブッシュを完全にはめ込みます。
さらに、新しいショックアブソーバーを取り付けてリアの作業は終了。
交換した結果は。
ショックアブソーバーの上下に付いているゴム部品を交換したのと、ショックアブソーバーが新しくなったので、ずいぶん引き締まった感じになりました。
ただし、新車の時のような乗り心地は戻りませんでした。
2度目の交換
2度目は新車から12年19万km走行した時点で交換しました。
前回交換から6年7万km走行しています。
交換は1度経験しているので、2度目は楽なはず。
手順は1回目と同じ。
しかも今回はストラットのスプリングが初めから付いているので、さらに楽勝のはず。
ところが今回もナットを外すのにものすごく手こずりました。
ステアリングの角度補正
前回ショックアブソーバーを交換したときは、ステアリングは全く修正の必要はなかったのですが、今回は直進状態でやや右に傾いています。
これは気持ちが悪いので、修正します。
まず、バッテリーのマイナス端子を外しておきます。
そうしないと、ステアリングを外すときにホーンが鳴ったりエアバッグが作動したりすることがあります。
ステアリング左右にある化粧カバーをはずし、
トルクスネジを外すと、
ステアリング中央のエアバッグが入っている部分が外れます。
中央のネジを外し、ステアリングを手前に引くとステアリングが外れます。
1ノッチ左に回して、ナットを締めて固定します。
後は逆の手順でステアリングを取り付け、バッテリーのマイナス端子を繋いだら完了です。
実際に走行して、直進状態でステアリングがまっすぐなっているか確認します。
まっすぐになっていなかったら、またやり直しです。
2度のショックアブソーバー交換を経験して
新車時の乗り心地を維持しようとした長期の計画でしたが、実践してみて次のことがわかりました。
・ショックアブソーバーを交換しても、新車時の乗り心地には戻らない。
ショックアブソーバーやバネに付いているゴムは交換できるのですが、フロントだったらロアアーム付け根のブッシュやフロントメンバーを取り付けているブッシュ、リアだったらトーションビーム付け根のブッシュは交換できないのです。
アッセンブリでないと交換できないのです。
・乗り心地にこだわるのだったら、それらのブッシュが交換できる車種の方が良い。
・ゴムブッシュ等の部品代は安いものの、交換にとても手間がかかる。
作業を依頼すると、工賃がとてもかかる。
・交換作業で一番大変なのは、ボルト・ナットを緩めること。
手持ちの、トルクが160Nmのインパクトドライバではビクともしません。
こういう作業はプロ用の大トルクのインパクトレンチが絶対必要です。
ディーラーのサービスマンでさえ、職場に元々あるインパクトレンチでは仕事にならないので、自前で工具を買っているそうです。
以上。
今回かかった費用は、ショックアブソーバー2万円、ゴムブッシュ等が約1万円として計3万円。
もしディーラーで新品を購入して交換してもらうと、1回で20万円位はかかるでしょうから、2回で約40万円。(これは確認した価格ではありません。)
よって、トータルで約37万円の節約でした。
またするかと聞かれたら・・
もうしません!
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