実録! 副鼻腔炎手術

今から約2年前の3月、ちょうどコロナが日本中で大騒ぎになりかけた頃、副鼻腔炎の手術を受けた。

これ以上遅くなったらコロナの流行で副鼻腔炎の手術などとてもやってもらえなくなるというギリギリのタイミングであった。

 

なぜ今頃になってこんな記事を書くのかといえば、この手術を受けていからというもの、鼻が信じられないくらい快適になったので、同じ症状でお悩みの方へ参考になればと思い立ったのでした。

それにいくらなんでも後しばらくすればコロナも収まるでしょう。

そうなったらまた病院もこの手の手術を再開すると思うので。

きっかけ

そもそも筆者は幼い頃からアレルギーがあり、アトピーがひどかったのでした。

鼻も例外ではなく、左の鼻が常時詰まっていて風邪など引こうものなら両側が詰まって、口でしか呼吸ができないありさま。

朝は鼻水ズルズルでティッシュの箱は必需品。

ラーメンを食べるときは鼻水で不快そのもの。

もうこんな鼻引きちぎってやりたいと思うこともしばしば。

 

近所の耳鼻科に行っても「鼻茸はあるけど切り取ってもまた出てくるからねえ。」とつれない言葉。

鼻茸とは鼻の奥(鼻腔)にできるデキモノのようなもので、これが大きくなると空気の通り道が狭くなるので、呼吸しにくくなるのである。

 

しかしもう限界。

思い切って評判のいい耳鼻咽喉科に行って手術したい旨を伝えた。

するとすぐに快諾してくれ、地元の赤十字病院を紹介してくれたのであった。

 

赤十字病院にて

2019年12月27日

診断してすぐその場で鼻茸を切り取ってくれた。

長さが3cm位ある鼻茸が出てきた。

こんなものが鼻の中にあったらそりゃ息はしにくいわな。

 

息がスースー流れるようになった。

そしてこの鼻茸は病理検査へ。

何でもこの鼻茸の中に好酸球というものが多かったら再発の可用性があり治りにくいのだとか。

 

あとはCT撮影や色々検査を行った。

 

好酸球性副鼻腔炎

2020年1月31日

前回切り取った鼻茸の検査の結果、好酸球がたくさん発見された。

この場合好酸球性副鼻腔炎ということになる。

 

これは国が指定した難病で助成制度がある。

喘息もこの好酸球が原因となることもあるらしい。

 

そういえば筆者もいつもということもないが、喘息の経験がある。

 

再発の可能性もあるが、といって根本的に直さないとどうしようもないので手術を受けることにした。

根本的に治すとは、鼻の穴の奥の空洞(鼻腔)と顔の周りに8つある空洞(副鼻腔)をつなぐ通路を広げる手術を行うこと。

 

で、手術の日程を決定。

 

3月11日~16日の入院で、手術は12日。

 

中旬にしたのは高額医療費制度を使うので、支払が1ヶ月分だけで済むから。

入院が月をまたぐと2ヶ月分支払わなければならなくなる。

 

手術前検査

2月14日

手術前検査および歯科にてマウスピース製作。

マウスピースは、全身麻酔中に無意識に人工呼吸器を噛んでも歯を損傷しないため。

 

入院

3月11日入院。

 

手術前日から入院である。

 

色々説明を聞く程度で特に何かをするということもない。

 

明日は手術だが特にこわいことはない。

全身麻酔下の手術は安全なのだ。

 

それより明日は1日食事ができないそうなので、そのほうが気になる。

妻が「こりゃ死ぬときもジタバタしないね。」と言っていたが、ジタバタする元気があるうちは死なないのだ。

 

ちょうどこの頃コロナの流行が身近になり、病院の不織布マスクが1枚100円に跳ね上がっていた。

おそらく副鼻腔炎の手術を受けることができるのも、コロナが収まるまでのラストチャンスだと思った。

 

手術

朝から食事はなし。

 

9時頃手術衣に着替え待機。

 

9時半ごろ看護師と一緒に歩いて手術室に向かう。

 

手術台に横たわる。

 

麻酔の駐車をしてもらい、手術用のマスクを装着する。

しばらくすると麻酔が効いてきた。

 

きたきた、と思ったら上に照明器具が見える。

 

もう手術が終わって待機室にいたのだ。

 

全身麻酔の手術っていつもこんなもんです。

 

怖いと思っている人は安心してください。

さて実は副鼻腔炎の手術の後は、手術後の出血が大変なのだった。

 

痛みは鎮痛剤が効いているので何とかごまかせるが、鼻からの出血が止まらない。

手術前の看護師の説明で「結構出血がありますよ」と言っていたのはこれだったのか。

 

とにかく「鼻から出る血を脱脂綿で拭いてポリ袋に入れる」の繰り返し。

40lはあろうかというポリ袋にみるみる血がついた脱脂綿が溜まっていく。

 

医者は「そのうち止まります」と言っていたが、果たしてそのとおり止まりました。

時刻は夜9時。

 

手術が終わって延々何時間も血を拭き続けていたのであった。

この日口にしたのは薬と水だけ。

 

手術翌日

手術翌日・翌々日の食事は全粥と軟菜のみ。

普通食でも食べられると思うんだけど、ま、理由があるのでしょう。

 

痛みは結構あるので鎮痛剤は点滴を通じて投入してもらっている。

 

手術翌々日

実はこの日まで鼻の奥の手術をした部分は、脱脂綿が詰められていて鼻呼吸が難しかったのだが、この日初めてその脱脂綿を取ってくれたので随分楽になった。

 

本音を言うと手術後からこの日までは、手術を受けなきゃよかったという気持ちもあったのだが、この日を境にぐんぐん楽になっていくのであった。

 

退院までの3日間

毎日普通の食事をし、薬を飲み、医師の診察と鼻の洗浄をするだけ。

楽だし暇です。

 

退院後

鼻の調子はいい。

何がいいかというと、とにかく鼻水が出ない。

そして、鼻詰まりが全く無い。

 

やはり手術を受けてよかった。

 

2年たった今でも絶好調である。

 

でもちょっと変わったことが・・・

 

声が変わった。

医者によると「鼻の空洞が増えたからよく響くようになったのでは?」というが、どちらかというと鼻声になったような気がする。

声優の人は気をつけたほうがいいかもしれない。

 

もう一つ、手術後しばらくは匂いがあまり感じられなくなった。

これは数ヶ月かけて回復してきた。

 

まあこれは困ることではありません。

 

とにかくあれほど見にくかった鼻詰まりと鼻水が全くなくなって、人生が開けたような感じである。

 

治療費

退院したときに目にした医療費は、手術費と入院費を含めて

約130万円

 

筆者はすでに年金をもらう身分になっているので、収入が少なく高額医療費制度を使うことによって、なんと

64,500円

 

さらに!

好酸球性副鼻腔炎つまり難病認定されたことにより、自治体から54,500円返金され、

自己負担額は

10,000円

ポッキリだった。

 

もともと130万円かかる医療がたったの1万円。

日本はやはり先進国だ。

 

どこかの社会主義国などと比べ物にならないほど社会保障が進んでいるのだった。

だから民間の医療保険などいらなかったのだ。

月々高い医療保険を払うくらいなら、そのお金を運用したほうがよっぽど生きた金になる。

 

筆者も随分保険のおばちゃんに脅されて騙されたけど、この例を見てもわかるように日本に住んでいる限り国の社会保障で十分。

民間の保険など人件費と広告費がかかっているので高額なのだ。

最後、保険の話になってしまったが、話を本題へ戻そう。

 

副鼻腔炎で苦しんでいる方、参考になりましたか?

2022年4月23日

Posted by kazu-DIY